「丈夫な歯になりますよーうにっ!!」
ポーン、と屋根の上に投げられる小さな歯。
乳歯が抜けて、上の歯なら縁の下に、下の歯なら屋根の上に投げたら、丈夫な永久歯が生えてくる――。
そんな話、聞き覚えがありませんか?
日本では広く浸透しているジンクスだと思います。
実は、他の国にも、似たような話があるのはご存知ですか?
「歯の妖精」と訳される、アメリカやカナダなど英語圏のジンクスです。
子どもが抜けた乳歯を枕の下に置いて寝ると、夜中に「トゥース・フェアリー」がやってきて、コインや小さなプレゼントと交換してくれる。
そんなお話です。サンタさんみたいでわくわくしますね。
でもこの乳歯、実は、「綺麗な歯」じゃないと持って行ってくれないそうです。
妖精が健康な歯を集めているとか、歯で妖精の国を作っている、なんて説もあるみたいで、小さな頃から歯は大切に、という気持ちがわかる風習ですね。
「ねずみのペレス」といわれる、スペインの子ども達なら誰でも知っているお話です。
内容といえば、先程のトゥース・フェアリーとほとんど同じなのですが、彼は妖精さんと違い、きちんと姿があるようです。
というのも、少し前の話ですが、バルセロナのとある場所に、ペレスさんの家が見つかったのだとか。
小さなドアの隣には歯のマークの看板が掲げられていたり、とっても可愛いおうちです。
今ではペレスさんのお仕事を邪魔しないようにしつつも、訪れる人が断たない場所になっているようです。
「太陽よ、古い歯を持っていって、新しい歯をください」と祈りながら、太陽に向かって歯を投げる、エジプトなどアラブ諸国の風習です。
太陽信仰が盛んな地域らしい、「太陽に成長を見守ってもらう」ための風習ですね。
トルコでは、抜けた乳歯は地面に埋める風習があります。
ですが、単に家の前というわけではないようです。
埋める場所は、親御さんが、「こんな子に育ってほしいなぁ」という内容にちなんだ場所にするそうです。
例えば、「医者になってほしい」なら「病院」の近く、「信心深く育ってほしい」なら「モスク」の近くなど、子どもの将来を願い、慎重に場所を選ぶんですね。
内容に差異はあれど、世界の乳歯にまつわる風習は、その子どもに向けた世界共通の願いや祝いが込められているように思います。
例えば、「丈夫な歯が生えますように」という願い。
例えば、「大人になったね」の祝い。
ジンクスという物語に祈りを込めて、今日も子ども達の成長は、世界にやさしく見守られています。
茨木ひかりクリニックのご予約は下記URLよりお願いします。
https://ibaraki-hdc.jp/reservation/
茨木市で土曜日・日曜日も診療する歯医者
茨木ひかり歯科クリニック



















