フッ素と聞くと、“むし歯予防に効果的”とイメージされると思います。
実際、フッ素はむし歯を予防する上で大きな役割を果たしています。
ではどうしてむし歯予防に効果的なのでしょうか?
今回はフッ素について詳しく解説していきます。
フッ素にはおもに3つの効果があります。
【1】再石灰化を促す
食べ物や飲み物を飲むと、お口の中のpHは酸性に傾きます。
pH5.5以下になると歯の表面のエナメル質に含まれるリンやカルシウムなどのミネラルは唾液中に溶け出します。
これを“脱灰”といいます。通常は唾液の働きによって、30~40分ほど時間をかけて、ゆっくりと口の中のpHは中性に戻っていきます。
フッ素は脱灰した部分にまたカルシウムなどが戻るのを助けてくれます。
これを“再石灰化”といいます。
再石灰化することにより、酸で溶けた歯を修復してくれるため、むし歯になりにくくなります。
【2】むし歯菌の働きを抑える
むし歯菌の代表はミュータンス菌と呼ばれる菌です。
ミュータンス菌の働きが活発だと、その分むし歯リスクは高くなります。
しかしフッ素はこのむし歯菌の働きを抑える効果があります。
ミュータンス菌が酸を産生するのを抑えてくれるため、むし歯になりにくくなります。
【3】歯質を強化してくれる
フッ素は歯そのものを強くしてくれる働きがあります。
歯の表面は“ハイドロキシアパタイト”と呼ばれる不安定な構造の結晶で構成されています。
そこにフッ素が加わると、“フルオロアパタイト”という安定した結晶構造に変化します。
そのため酸に負けない強い歯になるのです。
これら3つの効果があるため、フッ素はむし歯予防に役立ちます。
【1】フッ素入り歯磨き粉
一番お手軽にフッ素を使えるのは、フッ素入歯磨き粉の使用でしょう。
フッ素濃度の高いものを使用することをおすすめします。
1450ppmが市販の歯磨き粉の中で最も濃度の高いものです。
【2】フッ素入り洗口剤
小さいお子さんなどは、フッ素入りの洗口剤で寝る前にうがいすることも効果的です。
【3】フッ素塗布
歯科医院で定期的にさらに高濃度のフッ素を塗ってもらうことも効果的です。
ご自宅では低濃度のフッ素を毎日使用し、数ヶ月に一度は歯科医院で高濃度のフッ素を歯に塗布することによって、徐々にむし歯に負けない歯を作ることができます。
歯の生え変わりの時期は特にフッ素が効果的なため、定期的に歯科医院で指導を受けると良いでしょう。
フッ素を上手に活用して、お子さんの歯を守りましょう!
イオンタウン茨木太田店2Fで土日も診療している歯医者
茨木ひかり歯科クリニック
院長 伊原 勝換