フッ素がむし歯予防に効果的ということは、多くの方がご存知だと思います。
しかしなぜ効果的なのでしょうか?
今回はフッ素がむし歯を予防してくれるその理由について、解説していきます。
フッ素はミネラル成分の1つです。
自然界の中にも存在する元素です。
たとえば、土壌の中にはフッ素が含まれていますし、野菜、果物、魚や肉のなかにもフッ素は含まれています。フッ素と聞くと、中には安全性は大丈夫なのだろうか?と心配される方もおられると思いますが、自然の食品の中に含まれているため、フッ素自体は安全なものです。
しかし、限度を超えた量を摂取するなら、中毒症状が出ることがあります。
フッ素を一度に多量摂取すると、吐き気や下痢などの症状が出る場合があります。
中毒量は、体重1キロあたりフッ素2mgの濃度です。
体重20キロの子どもの場合40mg、体重30キロの子どもの場合60mgのフッ素を一度に摂取した場合に起こります。
しかし適切に使用している限り、通常の歯磨き粉や洗口剤、また歯科医院で行うフッ素塗布では、この量のフッ素を使用することはありません。
飲料水などによって、フッ素を長年摂取し続けると斑状歯や、骨硬化症などの症状が出ることがあります。
フッ素は、おもに3つの働きのゆえにむし歯予防に効果があります。
食事などをすると、徐々に歯の表面のエナメル質からカルシウムやリンなどのミネラル成分が溶け出します。
これを脱灰と呼びます。
脱灰が進めば進むほどむし歯になっていきます。
通常は唾液の緩衝作用によって、30分ほどかけてお口の中は中性に戻り、歯にまたミネラルが戻ります。
フッ素はこの再石灰化を促す働きがあり、歯の修復を助けます。
フッ素は歯を構成している結晶を強くしてくれます。
フッ素の含まれていない結晶は、酸に弱くミネラル成分が溶けやすいです。
しかしフッ素が含まれた結晶は強く、酸に負けない歯を作ります。
フッ素には、むし歯菌の活動を抑える働きがあります。
むし歯菌の働きが抑えられれば、むし歯の原因となる酸の産生も抑えられます。
フッ素は自然界の中にも存在するものです。
度を超えて摂取しない限り、中毒症状が出ることはありません。
フッ素は再石灰化の促進、歯質強化、酸の産生抑制をしてくれるおかげで、むし歯予防に効果的です。
積極的にフッ素を日々のオーラルケアに取り入れていきましょう。
茨木ひかり歯科クリニック